本を出版する方に

 これから本を出版する方に、また、著者と出版社はどのように契約するかを解説いたします。まず、今までの慣習と
して、「原稿預り証」の発行がないということです。これには、驚きました。私共クリーニング業務の中でお客様から
お品物をお預かりした際には、「預り証」を発行してそこに仕上がり予定日を明記しますが、重要な情報・知的所有権
である「原稿」を受け取った証がないのは慣習とはいえ考えられません。「出版契約書」についても下記のような文
面で取り交わしていない場合もあるようです。
 下記のものを見ていただくと「邦題・翻訳者名」の記載項目がありますが、この契約書は、翻訳ものをエージェント
が介在して取り交わす時に使用されているものです。他民族が集合している外国は契約社会が当たり前ですが、日
本国内においては口約束の習慣がかつては、まかり通っていました。しかし、これからはこれだけグローバルな国際
社会となった今では、日本国内においても「契約」の重要性を見出していくべきでありましょう。
 なお、「原稿預かり証」は私が原案として記載したものでありますので、このホームページをご覧になった専門家
の人がありましたら、アドバイスいただけたら幸いです。



 私は、「重曹でお洗濯」の本を出版するに当たり数箇所の出版社と折衝してきましたが、納得のいかないことが
多々ありました。原稿を渡してもこちらから催促しないと「預り証」を発行しないところ。それだけでなく、原稿を渡して
それに目を通したコメントが、「章立てがなっていない。文体が統一されていない。誤字脱字は、いけません。」クリー
ニング業でいうと「お客様なぜこんなに汚してきたのですか。」と言っているようなもので、著者をお客様としての認識
がまったくありません。本来、章立てや文体の統一が出版社の仕事であるはずである。もっと笑ってしまうのが、この
出版社、契約書に誤字・脱字があった。こんなんでよく商売がやっていられると、変に感心してしまいます。出版業界
は、今不況で・・・と言っていたが、あなたが自分の低レベルに気付いていないことが、一番の原因である。
もう一社は、まず、初版3000部が売れ、重版が売れて重版からの著作権料を支払うところ。それまでは、著者はた
だ働き。出版社と問屋、書店が潤うだけ。書いた人が、一番貢献しているのに納得いきません。無から生み出すエネ
ルギーは、本を書いてみると分かりますが、大変な量と質が要求されます。

 以上のような理由で、【自費出版】することにしました。
 それはまた、それで出版するまで原稿チェックが、大変であります。自分で書いた物を客観視して誤字を探したり言
い回しを平たくしたり、頭で分かっていることを文字にすると、先入観が働きすぎ思わぬミスがあるものです。他人で
すと、思い入れがないですし、特に、これを職業としている方などは冷静に的確に把握するのでありましょう。
 自費で出版することが可能となったのは、友人が印刷デザインの会社の社長であり、こちらの全面協力があり、強
力なパートナーがいたからこそ実現できたのであります。ワードでラフに打った原稿を見事に商品に仕立て上げてい
ただきました。

 本を出される方、ご相談下さい。
 苦労しましたので、お力になれます。







出 版 契 約 書

  著作者名
  書名
  邦題
  翻訳者名

        上記著作物を書籍として出版することについて、

著作権者                           を甲とし、

出版社                            を乙とし、

両者の間に次のとおりに契約する。

             年    月    日

               甲(著作権者)

                                  住所

                                  氏名                        印

               乙(出版権社)
                                  住所

                                  名称

                                  氏名                        印



第1条 (出版権の設定)甲は、表記の著作物(以下「本著作物」という)の出版権を乙に対して設定する。
     2.前項の出版権の設定により、乙は、本著作物の複製ならびに頒布の権利を専有する。
     3.甲は、乙が本著作物の出版権の設定を登録することを承諾する。
第2条 (出版の責任)乙は、本著作物の複製ならびに頒布の責任を負う。
第3条 (出版権の存続期間)第1条より設定された乙の出版権は、第25条及び第26条に定めるこの契約の有効期
     間中存続する。
第4条 (排他的使用)甲は、この契約有効期間中に、本著作物の全部もしくは一部を転載ないし出版せず、あるい 
     は他人をして転載ないし出版させない。
     2.前項の規定にかかわらず、甲乙同意のうえ本著作物を他人に転載ないし出版させる場合、甲はその処 
     理を乙に委任し、乙は具体的条件について甲と協議のうえ決定する。
第5条 (複写)甲は、本書籍の版面を利用する本著作物の複写(コピー)にかかる権利の管理を乙に委託する。乙 
     はかかる権利の管理を乙が指定する者に委託することができる。甲は、乙が指定した者が、かかる権利の 
     管理をその規約において定めるところに従い再委託することについても承諾する。
第6条 (類似著作物の出版)甲は、この契約期間中に、本著作物と明らかに類似すると認められる内容の著作物も
     しくは本著作物と同一書名の著作物を出版せず、あるいは他人をして出版させない。
第7条 (原稿引渡しと発行の期日)甲は、    年   月   日までに本著作物の完全な原稿(原図、原画、写 
     真などを含む)を乙に引渡す。
     2.乙は、完全な原稿の引渡しを受けた後 ヶ月以内に本著作物を発行する。
     3.やむを得ない事情があるときは、甲乙協議のうえ、前2項の期日を変更することができる。
第8条 (内容の責任)甲は、本著作物が他人の著作権その他の権利を侵害しないことを保証する。
     2.本著作物により権利侵害などの問題を生じ、その結果乙または第三者に対して損害を与えた場合は、甲
     はその責任を負う。

第9条 (校正の責任)本著作物の校正に関しては甲の責任とする。ただし、甲は、乙に校正を委任することができ 
     る。
第10条 (費用の負担)本著作物の著作に要する費用は甲の負担とし、制作・販売・宣伝に要する費用は乙の負担
     とする。
     2.甲の指示する修正増減によって、通常の費用を超えた場合には、その超過額は甲の負担とする。ただ 
     し、甲の負担額・支払方法は、甲乙協議のうえ決定する。
第11条 (著作者人格権の尊重)乙が出版に適するよう本著作物の内容・表現またはその書名・題号に変更を加え
     る場合には、あらかじめ著作者の承諾を必要とする。
第12条 (C表示)乙は、甲の権利保全のために所定の位置にC、甲の氏名、第一発行年を表示する。
第13条 (増刷の通知義務等)乙は、本著作物を増刷するに際して、あらかじめ著作者にその旨を通知する。
     2.乙は、著作権者から修正増減の申入れがあれば、甲と協議のうえこれを行う。
第14条 (改訂版・増補版の発行)本著作物の改訂版または増補版の発行については、甲乙協議のうえ決定する。
第15条 (定価・造本・部数等)乙は、本著作物の定価・造本・発行部数・増刷の時期および宣伝・販売の方法を決 
     定する。
第16条 (贈呈部数等)乙は、初版第1刷の際に  部、増刷のつど  部を甲に贈呈する。
     2.甲が、寄贈などのために本著作物を購入する場合は、次のとおりにする。
定価の8掛けでお分けする。
第17条 (著作権使用料および支払方法・時期)乙は、甲に対して、次の通り本著作物の著作権使用料を支払う。


著作権使用料支払方法・時期
刷部数1部ごとに定価の  %をお支払いする。 初版部数        部 初版印税           円 
保証分の支払いについて  出版月( 日締)の翌々月払いとする。
保証分を超えた分の刷部数報告と支払について 重版月( 日締)の翌々月払いとする。
備考



     2.甲は、納本・贈呈・批評・宣伝・業務などに使用する部数について、著作権使用料を免除する。
     3.甲は、流通過程での破損・汚損などやむを得ない事由により廃棄処分した部数について、著作権使用料
     を免除する。
     4.乙の会社、組織、団体等が、倒産・解散しても甲に対し代表者が著作権使用料を支払うことを確約する
      その期間は、1ヶ年以内とする。
第18条 (発行部数の報告等)乙は、本著作物の発行部数を証するため、甲に対し製本のつどその部数を報告す 
     る。甲の申し出があった場合には、乙はその証拠となる書類の閲覧に応じる。
第19条 (全集その他の編集物への収録)甲は、この契約期間中に、本著作物を著作
     者の全集・著作物などに収録して出版するときには、あらかじめ乙の承諾を得なければならない。
第20条 (二次的使用)この契約の有効期間中に、本著作物が翻訳・ダイジェスト等、演劇・映画・録音・電子媒体 
     等、その他二次的に使用される場合、甲はその使用に関する処理を乙に委任し、乙は具体的条件について
     甲と協議のうえ決定する。
第21条 (出版権消滅後の頒布)乙は、第17条の規定に従い著作権使用料を支払うことを条件に、出版権消滅後も
     本著作物の在庫を頒布することができる。
第22条 (著作権または出版権の譲渡・質入)甲が著作権の全部もしくは一部を、または乙が出版権を、第三者に 
     譲渡または質入れしようとしたときは、あらかじめ相手方の文書による同意を必要とする。
第23条 (災害等の場合の処置)地震・水害・火災その他不可抗力および甲乙いずれの責任にも帰せられない事由
     により、本著作物に関して損害を蒙ったときまたはこの契約の履行が困難と認められるにいたったときは、そ
     の処置について甲乙協議のうえ決定する。
第24条 (契約の解除)甲または乙は、相手方がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めて書面により契約 
     の履行を勧告のうえ、この契約の全部または一部を解除することができる。
第25条 (契約の有効期間)この契約の有効期間は、契約の日から初版発行部まで、および初版発行後満    ヵ
     年間とする。
第26条 (契約の更新)この契約は、期間満了の3ヶ月前までに甲乙いずれかから文書をもって更新する旨の通知 
     がないときは、この契約は自動的に期間満了となり契約は終了する。
第27条(契約内容の変更)この契約内容についての追加・削除その他変更する必要が生じたときは、甲乙協議のう
     え決定する。
第28条(契約の尊重)甲乙双方は、この契約を尊重し、この契約に定める事項について疑義を生じたとき、またはこ
     の契約に定めのない事項について意見を異にしたときは、誠意をもってその解決にあたる。

上記の契約を証するため、同文2通作り、甲乙記名捺印のうえ、各1通を保有する。


備考 第12条の著作権マークは、本来は、Cに○囲みですが、このホームページに使用される文字では表示出来な
    いためCとなっている。
    第17条の4は、通常の契約書には記載されていません。私が独自に挿入したものです。実際知り合いの方が
    出版社が倒産したため著作権料をいただけなかったことを伺い、この項目は絶対に必要と感じたからです。
    



原稿預り証


     題目                      の原稿として、ワード作成      ページ
     または原稿用紙    枚のコピーを著作権者           氏より預かりました。
     追加項目預り証は、その都度年月日を記載し、発行します。

  重要事項 いかなる場合でも、関係者以外には原稿の譲渡、内容の開示をしないことを約束いたします。

               年   月   日

   著作権者                 殿

                               出版社住所
                               出版者名
                                                                  印



上記文章は、コピー自由です。皆さんが出版するときにお役に立てればと思います。
下記の「(社))日本書籍出版協会のサイトもご覧下さい。

(社)日本書籍出版協会
〒162-0828 東京都新宿区袋町6番地 日本出版会館
TEL(03)3268-1302〜4/FAX(03)3268-1196
http://www.jbpa.or.jp/

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